riffleshuffle

キャラクター

ディアヒストリー27

シャッフル王女 全て……思い出しました…… 飛び散った花瓶の最後の欠片が音を消し再び静寂を生み出した時、シャッフル王女は静かに目を開け、濡れた足元を見つめながら呟いた。忘れ去られていた記憶の数々が、一瞬のうちに蘇り繋がる。毅然と椅子から立ち...
キャラクター

ディアヒストリー26

街人1 最近、王妃様の姿が見えないねぇ…… 街人2 言われてみれば…… お加減でも悪いのかしら? 街人3 いや……ここだけの話、鍛冶屋の若いもんが城から墓地へと向かう葬列を見たらしいんだ 街人1 葬列ぅ!?どなたかお亡くなりに……? 街人3...
キャラクター

ディアヒストリー25

翌日。ついに倭国との会談が始まった。それほど大きくはないシャフル城の応接室に、これほどの人が集まったのはいつぶりだろうか。長方形の部屋の中央には少々長めのテーブルが用意されており、暖炉側上座には領主、そして向かって左側には倭国のヨシノリとそ...
キャラクター

ディアヒストリー24

平和な暮らしを送っていたある日の事。リフルシャッフル侯国宛に一通の手紙が届けられた。侍女よりその手紙を受け取った領主が書斎で眉間に皴を寄せる。馴染みのない紙や印。装丁は変わらぬ普通の手紙だが、鼻孔をさすインクの香りが開封せずとも感じられた。...
未分類

ディアヒストリー23

1618年。金色の美しい髪が冷たい風を受けサラサラと揺れる。日々課される厳しい淑女のお稽古事を終えた若き18歳のシャッフル王女は、いつもの場所へと向かって歩き出した。城の外。少し殺風景な色の無い一画。訪れたのは牢獄塔だった。白い石造りの円柱...
未分類

ディアヒストリー22

領主 ディア! シャッフル王女 ……お父様…… 王妃の部屋にて倭国に関する書類を発見したシャッフル王女は、自身の記憶を懸命に探りながら、その書類を隅々まで読み漁っていた。しかし全てに目を通しきらぬうちに、開け放たれた王妃部屋のドアを見た領主...
未分類

ディアヒストリー21

エリーナさんはお父様から与えられた土地の視察に出かけ、しばらく城を留守にしてございます。いつも騒がしかった私の隣も今ではすっかり静かとなり、無事かつての日常に戻って参りました。エリーナさんが専属侍女から解かれ少しの寂しさはございますが、久し...
キャラクター

ディアヒストリー20

リフルシャッフル侯領の東側はバロック調の建物が並び、煌びやかな雰囲気で満たされているのに対し、西側は深い樹木が鬱蒼と生い茂り、暗く不気味な冷気で満たされている。立ち入った者は行方不明になることが多く、無事帰還できた者も、見たことの無い魔獣や...
キャラクター

ディアヒストリー19

その後。エリーナさんはすっかり元気を取り戻し、いきいきと侍女の任に励みました。驚くべき事に、自分から先輩侍女たちに頭を下げ、本来の侍女の任ではない炊事や洗濯、お掃除まで教わっているようです。舞踏会の一件から2か月程が経ったある日のこと。未だ...
キャラクター

ディアヒストリー18

元女家庭教師が帰った後、私はシャッフル王女の許可を得て自室に戻った。しばらくして、どちらかの侍女が夕食の時間だと呼びに来たのだが、私はいらないと言って断った。なんとなく綺麗になった部屋。なんとなく清潔になったベットの上で、私は膝を抱え顔を伏...